アーティストの仕事はAIには奪われない1つの理由【ラップの作り方 番外】




10年後、

いま人が行っている仕事のおよそ半分がAI(=人工知能)に取って代わられると言われてます。

嘘みたいですが、そんな嘘みたいな時代が来た時、音楽や美術など、アーティストと呼ばれる仕事をしてる人たちは果たして生き残れるのでしょうか?

僕は確実に生き残れる、というかその活動が注目され、報われる可能性がすごく高くなる時代が必ずくると思っています。

あんまり間口を広げてもアレなので、バンドやラッパーなどの音楽活動を軸に考察します。

なんでも人工知能ができてしまう

例えば、コンビニ店員や車を運転する仕事はそう遠くないうちにほとんど完全に自動化されると言われています。

デスクワークでも、事務系の仕事はなくなるでしょう。何かを生産するというよりは、システム化された作業をこなすような仕事は、AIがやった方が人を雇うコストもなくなるし、ヒューマンエラーもなくなるし、経営者側からしたらメリットが大きいからです。

そんなAIが主流となる時代に乗れず、稼ぎが少なくなる層は少なくないと思います。

表現活動的な仕事もAIはできてしまう

じゃあ作曲とか絵描きとか表現活動的な部分はAIはできないのか?と思うと、全然できます。

音楽、美術、文学問わず、人が生み出してきた作品というのは膨大にあります。

そんなビッグデータがあれば、その統計から人間の感情を揺さぶる作品をAIは作れるはずです。

例えば「何か新しい曲聴きたいなあ」という人がいた時、世界に一つだけのあなたの心に響く歌、お作りしますというコンセプトのアプリがあったら絶対使うと思います。

ユーザーの生年月日からその時代の流行を割り出して、さらに「好きなジャンル」「好きなアーティスト」「辛い経験」「青春の思い出」みたいな情報を記入していけば、編曲も作詞もかなり高精度で作れます。

それどころか実写のような演奏してる映像やPVもAIが作れます。

1回そんなのが作られてしまえばあとはコストダウンされていって、やがて無料で提供されるサービスになるでしょう。そうなると、稼ぎの少ないほとんどの人たちはそれで欲しいものは済ませてしまいます。生活で娯楽にかけるお金なんて優先度低いからです。

でも。

表現者にはあって、確実にAIが再現できないものはあります。

アーティストのルーツ、背景はAIには真似できない

実際には存在していないからです。

そのアーティストがどこから来てどこへ向かっているのか、どんなジャンルに影響を受けているのか、どんな苦労をしてきたのか、どんな怒りや悲しみを抱えているのか、生み出した作品一つ一つにはどんな思いが込められているのか、

作品と同じかそれ以上に、それを作ったアーティストの過程や経歴がはっきりと価値を持つようになります。

仮にAIが作った曲の背景なんてAIがピコピコと作り出しても、アーティストなんて存在してないですから「嘘」が際立つだけです。

特にヒップホップ・ラップは、時に作品そのものよりそれを作ったラッパーがどういう奴なのかが重要だったりします。

そもそもラップという手法自体、作者のルーツが生々しく現れるので、あらゆる表現活動の中でもAIとはかなり相性の悪いジャンルです。取って代わられることはないと考えています。

アーティストの本質的なところに裕福な層はお金を出す

アーティストの背景にお金を出す層は必ずいます。

AIをうまく使って、お金も時間もある人たちです。そういう層も結構生まれてくるはずです。

そういう人たちに、アートにたくさんお金を使わせられたら、全ての人が人の生み出すアートをガンガン楽しめる世の中になって、それは楽しそうな未来だなと思います。

アーティストは「AIなんかとはわけが違うぜ」と伝える必要がある

ここまで書いたような時代が本当に来たなら、アーティストは作品やライブだけじゃなくて、それまでの過程や思いも発信していくことは必須になります。

現代でも当たり前かもしれないですが、そこまで活動の手が回ってないアーティストは知る限りでも沢山いますので、全国だとものすごい数です。絶対もったいない。

SNSはもちろんですが、個人的にブログはかなり、アーティスト業と相性いいと考えてます。

アーティストの活動は限られた椅子の取り合いじゃない

発信するのが遅れたからもう食える枠は埋まってしまったかな、なんてことはないです。「ヒップホップはZEEBRAとKOHHだけ聞いて、二人が引退するまでは他のラッパーは聞きません」みたいな奴はいないし、リスナーは世界中から開拓できます。

アーティストの情報はどんどん増えていいはずです。

あと今思ったんですが、10年後くらいにお金を沢山もってる層って、多分今アーティスト活動してる人と同世代がかなり多そうですね。ずっと今より活動することで入ってくるお金は多くなってくるんじゃないでしょうか。

最後に

あんまりお金の話ばっかり書くのもアレなんですけど、こう考えていると、今なかなか収入に繋がらなくて苦労してるアーティストにとって明るい希望のある未来になるんじゃないかなと感じてるんです。

だから僕も、仕事やらなんやらで今後活動が停滞したり、できなくなる時期があっても、「ラップしてた自分なんて過去の話だ」なんて切り捨てずにその時その時を一生懸命生きていこうと思います。



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この記事を書いた人

名前:スイコ
ラッパー、デザイナー

鹿児島で音楽活動したりデザインの仕事をしたりして楽しく暮らしています。

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