SOERHT -be invoked- リリック|SOERHTと私

roqtone、NO.A、Mellow-D,僕の四人のラッパーと、DJ foresteeeeeemaからなるヒップホップユニット「SOERHT(ソート)」で作った曲です。

「明日死ぬとしたら、何をするか」というテーマを僕が提案したのですが、テーマが重すぎて僕含め誰も書けなくなり、ストーリーテリング(=物語にして伝える)ものにしたら作れるんじゃないかということで作った曲です。

4バース構成で物語の起承転結をしっかり表現することができてて、作った中で一番好きな曲です。

僕は3バース目でラップしてます。

 

verse 1(roqtone)

大きな音を立てて資本主義は終わり

壮大な実験が止まるウォール街

人が2008年の警告を聞かず

既存のシステムに縋った結果だ

あの日からホットマネーは食糧に流れ

高騰した水や穀物を奪い合う世界

暴落した円じゃ何も買えやしない

今日の飯にありつけても明日はわからない

治安の良さが売りだったこの国も

10台のギャング団が商店を襲い

すぐ隣の町じゃ行政は存在しない

下がり続ける生命の価値

お偉いさん達がプライドを捨てるのは早かった

秩序は乱れ侵攻が始まった

反戦運動は何の意味も持たなかった

おそらくこれは人類最後の戦争だろう

 

verse 2(Mellow-D)

街は変わり荒れた土地に安泰はなく

武力持たぬ結果迎えるこの国の終わりを

民たちは怯え暗闇に身を隠した

あざ笑うように用意された兵器は核

止めることのない侵攻が奪う命

希望全て塵のように消されなくなり

残されたものは恐怖、怯え、震え

負の感情理解できぬ無に還されるこの定め

奴らは言うテロリスト

「逃げることすら許されない」

次々と滅亡する国家

明日の朝日差す日差しをただ待つ

その先に来る終わりのことはもういい

今できることを一つでも遂げたい

残り時間はもう僅かだから

その瞬間は少し希望に満ちていた

 

verse3 スイコ

最期の日ってのが嘘のように町は静かだった

目が覚めた雲一つない朝

両親の墓の前で呟いた

「どうやら俺たちはまた繰り返したみたいだ」

ここじゃないどこか遠くへと逃げる人たちの中

どうにもこの町を離れる気になれない

悪くない、今日までの生涯、死ぬにはいい日だと

そう感じた瞬間救われた気がした

そうだな今日は飲もう家族と仲間と

最期だからと帰ってきたあいつと

良い夜だ、お前の言葉を聞けて

真実を知ることができて本当に良かった

「俺たちはよくやった」最期の言葉

胸に抱いたまま眠りにつく

嘘じゃない心から思えた

明日死ぬのではない

俺たちはきっと今日のために生まれてきたのだと

 

verse4 NO.A

次に目を開けた時には

今までの戦いが嘘のように

あたりは静寂を取り戻した

争った相手 好きだったあいつ

穏やかな言葉を交わした

終わりの見えない欲望 繰り返される憎しみ

全てが消えた 光となり

俺らは進む みんな笑顔だ

愛する者どうし寄り添い合い

一人の者は声を掛け合う

「もう大丈夫、これからは幸せになろう」

集まった輝きは大地に降り注ぐ

この先は小さな純粋な命が物語を

どういうことか 終わりは始まりを告げた

誰も知らない見たこともない景色が

広がろうとしている

 

人々の業 洗い 紡ぐ 命の物語

紹介するにあたって久々に聞きました。

最初のテーマからは少しずれてますが、死生観まで突き詰めることができたし、ラップではポエトリーリーディングに挑戦することができたりと、手前味噌ながらすごくいい曲ができたと思えます。

ライブで他の曲に比べて雰囲気が浮くので、できないというのが残念です。

今はライブはソロばかりで、このメンバーでライブする機会がなかなかないですが、いつかできるときはこの曲をやりたいです。

 

ちなみにこの曲は、

2013年にリリースしたSOERHTの1stアルバム「vicissitudes of life」に収録されています。5年前に作った自信作です。

 

まだまだ在庫がたくさんあるので、気になる方いましたらご一報ください。

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この記事を書いた人

名前:スイコ
ラッパー、デザイナー

鹿児島で音楽活動したりデザインの仕事をしたりして楽しく暮らしています。

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