レコーディングでラップが上達する4つの理由【ラップの作り方 10】




ラップのスタイルは人それぞれですし、「まずはこれをやりなさい」みたいな基礎的な練習法があるのかは、はっきりとはわからないです。ラップについていろいろ書いてますが。

「ラップは人に習うものではない」という意見もよく聞きますし、それもよくわかります。僕も習ってないし。

ただ自分のラップの経験から言えば、レコーディングが一番ラップが上達すると確信しています。近道と言っていいくらいです。

本格的にやってる方だと自宅とかに設備を整えたりしてると思いますが、これから始めたいという方もお手持ちのスマホアプリで十分できます。

なので今回は、レコーディングが上達の近道になる4つの理由をいくつか書いていきます。

先に言ってしまえば、4つ目の理由が一番大きいです。

1.自分の声を知れる

録画した映像とかで自分の喋ってる声を聞くと、思っていた声と全然違うという経験はあるかと思います。ラップを録ってみるとよりその衝撃は大きいです。

僕の場合は、自分では結構低い声なんじゃないかなと思ってたんですが、録って聴いてみると全然低くない。高くもない。エンジニアの方が言うには、音声波形を見るに、中音域だけ強くて、高・低音域がごっそり抜けているみたいです。

なので、自分の声はどこか頼りない雰囲気があるというか全然好きじゃないです。なので何度も声を録って聴いて、理想のラップの声に近づける試行錯誤をしました。

自分の声がどう聞こえているかを知るのは大きく上達できる一歩だと思います。

2.トラックと声との相性を知れる

自分の声を作りこむのもですが、トラックにもメロディやドラムパターンがあるので、自分の作ったラップがちゃんとトラックにハマっているのかを確認するのも必要です。

メロディと合わなくて不協和音になっていないかとか、強く発音しているところがスネアとあっているかとか。

あとは、明るい曲なら声のトーンをあげたり、しっとりした曲なら囁いてみたりなどトラックの雰囲気に自分の声を寄せてみたり。

ライブでいきなりそのトラックでやる前に録っておくと、どのくらい表現すれば適切か掴んでおくことができます。

ただ不思議なことに、あんまりかっちりやりすぎてもなんだか曲として面白く無くなったりするので、そこは意識してたほうがいいです。

3.歌詞が客観的に聞き手にどう伝わるか知れる

ラップは自己表現だから自分が納得できる歌詞なら問題ないんですが、ノートに書いた歌詞を見るのと、録った詩を聞くのとではまた印象が変わってきます。

例えばそのラップで特に印象付けたい言葉-パンチライン-がちゃんと機能しているかとか。ずっと一本調子で威勢良くラップしたりぼそぼそとラップしたりすると、パンチラインが埋もれてしまいます。

「熱いメッセージを伝えたいけど、このラインを特に聞かせたいから、他のところはあえて声のトーンを落とそう」みたいな駆け引きが、録って聞くことでより具体的に調整することができます。

4.編集で理想を作り、聴き込むことができる

これ他のラッパーがどう思うか知らないですけど、何回も録ってみて「これ以上は無理!」てくらい自分でベストなラップが録れたら、それをレコーディングツールの機能で編集してみるといいです。正直ここまでやって初めて、上達するレコーディングにななります。

なんでかというと、聴いた感じトラックとしっかり合っているように感じても、音声波形でみるとだいぶずれてるからです。

それをリズムにジャストで合うよう、波形を引き伸ばしたり、切ってずらして貼ったりします。

あと不協和音になってる箇所があったとしても声のキーを変えて調整できます。

これを音源にするわけではないです。その曲で書いた自分のラップの、一番正しいと思えるのせ方を作って何度も何度も聴き込むことで、自ずとその音源に自分のラップが近づいてきます。

「溜めたラップ」がしたいなら、ジャストよりほんの少し後ろにずらして聴き込みます。

正直、ただ録っただけだと2回も自分で聴こうとは思えないんですけど、作り込んだやつなら拙いところを全部修正したので一日中聴けるはずです。聴いてるうちに上手くなります。

僕はライブではラップを崩して歌うのが大好きなんですけど、これをすることでラップに「型」ができるような感覚ができます。この軸があるから、ライブで感情的になったりアドリブでいろいろやって崩しても「型無し」なことにならないと思ってます。

最後に

最初でも書いた通り、ラップは人に習うものではないという気持ちは僕も多少持ってます。声も作詞もライミングも自分で突き詰めるものです。

なのでこのブログでは極力普遍的というか、どんなスタイルにも応用できるようなラップの作り方をほぼ自論でこれからも公開していこうと思います。

ここまで読んでいただきありがとうございました。



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この記事を書いた人

名前:スイコ
ラッパー、デザイナー

鹿児島で音楽活動したりデザインの仕事をしたりして楽しく暮らしています。

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