創作が続く人と続かない人の分岐点【ラップの作り方 8】

ラップの作り方




ラッパーに憧れ、好きで飛び込んだラップの世界なのに。

初めて数ヶ月で、いつの間にか制作しなくなり、やがてライブ活動もやらなくなるラッパーは沢山見てきました。

ラップのリリックを書き続けてみると、結構早い段階で作品を作ることが急に難航するようになる「壁」が現れると僕は思っています。その「壁」は書き続けることでしか突破できないため、制作を継続させる最初の関門になります。

その「壁」とは一体どういうものか、自分の経験を元に書いてみました。

ラップに限らず、創作活動ならどんな分野でも当てはまる話だと思いますので、

何か活動されてる方は自分の分野を当てはめて読んで頂けると嬉しいです。

 

最初の自作のラップは「理想」が詰まってた

僕は1年大学浪人してたのですが、大学に入ったら絶対ラップを始めようと思って、大好きなRHYMESTERやラッパ我リヤ、山嵐を聞きながら、思いついたリリックをメモしたり、16小節の自己紹介ラップを作ったりしてました。

「今はまだ始める時期じゃない」とか思ってたので実際に歌ったりはせず、ただノートにつらつらと。

誰に聴かせたり評価してもらうわけでもなかったのですが、その作ったラップ達は「フローもライミングもオリジナルで現行の誰にも似てない、自分の理想を込めることができたぞ」なんて思ってました。

 

気づくと好きなラッパーのラインが混ざってる

そして大学に入って自作のラップを録音したりライブを重ねたりしてたのですが、制作を始めて6か月くらいすると、なんかリリックを書き出すペースがドンと落ちて、やがて書かなくなりました。

「何か制作のヒントないかな」と思って、RHYMESTERや餓鬼レンジャー、ラッパ我リヤを改めて聴いた時に、自作のラップに似てるフローや同じ言い回ししてる箇所が沢山あることに気づいたんです。特にラッパ我リヤのMr.Qに酷似してるところが多かった記憶があります。

制作が止まりだす時期のラップなんて色々混ざってました。「あれ?Mr.QみたいなフローでKOJIMAみたいなリリックをラップしてるぞ?たまにMummy-Dみたいなパンチライン混ざってるし」みたいな。

 

「壁」は自分が描いてきた「理想」そのもの

続かないラッパーって、すごく誰か有名なラッパーに似てるんです。8〜9年前とかだとSEEDA、ANARCHY、AK-69に似たラップしてる人が多かったです。ライブパフォーマンスとかもよく似てました。

好きなラッパーをリスペクトして、一部分だけサンプリング的に取り入れるとかなら、すごく面白いんですけど。

地元で好きなラッパーの「代わり」になろうなんて思う人は少ないでしょうし、作った理想のラップは全てオリジナルだと思っているはずです。

ただ、明らかに影響を受けたラッパーの存在あっての理想なので、その「理想」は作り続けるうちにやがて使い果たします。

 

継続できる人とできない人に別れる

「自分は誰々に似てるラップをしてきた」と思うかどうかは人によると思いますが、最初から個性を出していくことが重要になるラップにおいて、このラッパーをふるいにかける「壁」は確実に存在します。

たくさん韻踏んだらFORKに似てくるし、ハングリーさを歌ったらANARCHYに似てくる。自分の言葉で歌ってるはずなのにその言葉すら似ています。

ここで「なんかいつの間にかやめちゃった」てなってしまう人がほとんどだと思います。

活動が継続できるラッパーは、

・誰かに似てることを構わず作り続け、その時その時流行ってるスタイルを構わず取り入れる

・自分の表現、オリジナリティは何かを考えて、流行ではないものを作ろうとする

の2つに大きく分かれるのではないでしょうか。僕は継続できるならどちらでもいいと思います。

 

まっさらなところから自分の表現が出せるか

本当の創作活動はこの「理想」を使い果たした、まっさらなところからようやく始まります。「理想」のハードルが上がってるということは、それだけ表現者としてレベルアップしてるといえます。

ここからが大変になってきますが、そこにこそラッパーの聴きどころがあると思っています。

この段階で影響を受けるのを拒んで人のラップを聴かなくなる人もいますし、積極的にいろんなものを取り入れていく人もいます。僕はかつては聴かなくなる側でしたが、今は真似になることはないように意識しながら取り入れていくようになってます。

 

まとめ

だいぶ長くなりました。

ラップだけでなくデザインや陶芸などいろいろ創作活動をしてきたのですが、これはラップに限った話ではないなというのが、ここまで書いた上での感想です。

音楽や美術、文学でもなんでも今まさに「何だか最近活動が停滞してきたな」と感じている人は、むしろそこからが個性のある作品が生まれてくるところなんだと、踏ん張って創作活動を続けることができたらと思います。