続 フローに合わせてリリックをのせていこう【ラップの作り方 3】

前回の記事の続きです。

 

フローに言葉を乗せていく作業ですが、ちょっとどう説明しようか考えたんですが中々しっくりくる感じがないです。

でもそういうところを考えるのも楽しいので、何度も書いてみて、自分的にもしっくりくる説明を見つけていこうと思います。

 

とりあえず自分のラップで説明します。

これは作った当時自分の身の回りの環境が大きく変わるときだったのでなんだかエモい気分になって作った曲です。テーマは「旅立ち」です。

トラックが軽快な感じだったので僕も歯切れよくタッタターターみたいにフローを作って、小節のケツで強くアクセントだして吐くようなイメージのフローです。

 

1バース目の最初の4小節だと、

タ タラタタタラタタタタ」「タ タラタタタラタタタタ

て感じです。青がアクセントです。最初のタは食い気味に、若干小節をはみ出してます。

 

で、これがリリックです。

「潮かおる風に吹かれて出航」 「出会ったばかりの客とフリートーク」

これにタタタのリズムを当てはめていきます。

「シオカオルカゼニフカレテシュッコー」「デ アータバカリノキャクトフリートーク」

わかりにくいかもですがこんな感じです。「出航」や「出会った」とかは小書きのつが入ったりしてるのでフローの雰囲気を崩さないように歌います。説明難しいですが多分やればわかると思います。

 

タタタのリズムに入らないなと思った1小節目の「オル」は、詰めて発声してます。これで歌詞をのせてもフローのイメージは崩れない感じになりました。

個人的にはこの言葉を詰めると、ドラムの「タララッ」というようなフィルの効果に似てると思ってて、軽快な雰囲気が出るのでよく使います。

 

リリックをフローにのせるのはこんな感じです。これを16小節分、作ると1バースという、区切りのいい尺のラップのブロックになります。16小節、だいたい40秒~1分くらいです。短いようで中身がつまらないと長く感じます。

聴く人が飽きないラップを作るために必ず僕は気を付けてるのですが、1バースの中でフロー、歌詞共に起承転結の展開を持たせるようにします。

 

16小節を4で割って、1~4が起、5~8が承、9~12が転、13~16が結です。

フローで起承転結はどういうことかというと、↑のラップだと

1~4は「タ タラタタタラタタッタタータ―」と軽快に、

5~8は「ッタッタタッタタッタタッタター」と裏を意識して変化させて

9~12は「タタタッタラタタタラタタタラー」と加速するように詰めた感じにして、

13~16「タッッタラタタッタッタ」と終わりに向けて落ち着いていくように

という意識をもって4回ずつ繰り返します。これで何となく展開が生まれるはずです。

 

歌詞も、描写したい状況を4つに分けて書いていくことで展開が生まれるようにしています。

1~4の「起」は船出の様子シーンを想像して、

5~8の「承」は自分の状況や後ろ髪惹かれる気持ちを、

9~12の「転」は一転、自分の周りに人たちの気持ちを書いて、

13~16の「結」は今後への意気込みを書いてます。

 

起承転結を意識するのはすごく大事だと思います。起承転結を逆手にとっていろんな遊び方ができるからです。

ラップのスタイルはたくさんあるので、「起起起結」みたいなラップや「起承起承」で作って2バース目で「転結」をやるなど、いろんな展開ができるんです。16小節の中で起承転結をガンガン繰り返していろんな話を詰め込むすごいラッパーもいます。

 

そう意識すれば、普段楽しんで聴いてるラップもまた違った楽しみ方が生まれて、よりハマれますよ。

 

ラップは誰かに教えてもらうということはあんまりないので、センスのある人が自然に作ってるんだと思うのですが、分析することでその特徴がわかってきて、理想の感じなら自分でもやってみるといいといいです。

 

頭と紙とペンで作れるラップはここまでです。

次は実際にやってブラッシュアップさせていく作業です。

 

まとめ

起承転結を意識する

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この記事を書いた人

名前:スイコ
ラッパー、デザイナー

鹿児島で音楽活動したりデザインの仕事をしたりして楽しく暮らしています。

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